【結果】シャクール・スティーブンソン vs ジェレミア・ナカティラ

米ラスベガスのヴァージン・ホテルで12日(日本時間13日)開催されたシャクール・スティーブンソン(米)vs ジェレミア・ナカティラ(ナミビア)のWBO世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦。終始試合を支配したスティーブンソンが3−0のフルマーク判定でナカティラを下した。

4回にスティーブンソンが右フックでダウンを奪うシーンもあったが、ナカティラの右を警戒したスティーブンソンが終始ディフェンスに徹した危なげない試合運びで実力の差を見せつけた。

3人のジャッジは全て120−107でスティーブンソンにマーク。勝利したスティーブンソンは無敗記録を伸ばして戦績を16勝無敗8KOとした。

パンチスコアリングシステムのCOMPUBOXによると、スティーブンソンの304パンチの内の114(38%)、ナカティラは305パンチの内28(9%)というヒット率で、スティーブンソンが圧倒的なディフェンス力を示した形となった。

試合後のインタビューでスティーブンソンは「正直に言うと今回のパフォーマンスには満足していない。もっと上手く戦えたはずだが、彼は扱いづらいファイターだった。強いパンチを持ち、掴み方や逃げ方も知っていた」とナカティラを評価。さらに「少しは(ノックアウトを)試みたが、いくつか強いパンチをもらい始めたから(攻めなかった)」と防御を優先したことを認めた。

今回勝利したスティーブンソンには、4月に元2階級制覇王者のカール・フランプトン(英)を6回TKOで退けたWBO正規王者のジェメル・ヘリング(米・23勝2敗11KO)との対戦が義務付けられている。以前の報道によると9月または10月の開催が計画されている模様。

今後の抱負について聞かれると「選択できるならオスカル・バルデスと戦いたいが、ジャメルを倒さないと実現しないのであれば、まずはそこからだ」と語り、「ジャメルは俺を倒せない。彼もそれを分かっている」と改めて強い自信を示した。

試合後の米SNSではスティーブンソンの高い技術力を称える声がある一方で、見せ場の少なかった今回の試合に対し「つまらない」「退屈」「もうシャクールの試合には期待しない」といったファンのコメントが多く見受けられる状況だ。また、試合を放送したESPNの解説者である元2階級制覇王者のティモシー・ブラッドリーは、全国に放映される興行のメインイベントでエンターテイメント性を欠く試合運びをしたスティーブンソンについて「アクションに欠ける試合でどうにか眠らないようにするのが精一杯だった」と批判した。

確かな実力と才能を持つシャクール・スティーブンソンであるが、今回の試合についての多くの批評は今後ボクシング界で真のスターとなるための課題を彼に与えるものとなるかもしれない。

スティーブンソン vs ナカティラ戦 ハイライト
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