【結果】カシメロ vs リゴンドー 1試合におけるパンチ数の記録更新

8月14日(日本時間15日)に米カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルススポーツパークで王者ジョンリル・ カシメロ(フィリピン)と挑戦者ギレルモ・リゴンドー(キューバ)の間で行われたWBOバンタム級タイトルマッチ。バンタム級4団体統一世界戦線への生き残りをかけた注目の一戦は、2-1のスプリットデシジョンでカシメロが勝利し、4度目の防衛に成功した。

試合は戦前に予想された通りリゴンドーが終始フットワークを駆使してディフェンシブなスタイルを徹底。手数が極端に少ないリゴンドーを追うカシメロもクリーンヒットを当てられず、見せ場のないまま12ラウンドが終了。試合後は打ち合いを避けて終始消極的な戦法に徹したリゴンドーに対し、観客からブーイングが起こる場面もあった。

戦前に「カシメロの判定勝利」を予想するものは少数派であったが、さすがここまで手数が少なければ、リゴンドーのポイントアウトは難しいだろう。またこのような試合をしたリゴンドーは今後さらにマッチメークに苦労することになることが予想される。

3人のジャッジによる判定は一人が115-113でリゴンドー、残り二人が116-112、117-111でカシメロを支持した。今回の試合を経てカシメロは戦績を31勝4敗に、リゴンドーは20勝2敗とした。

パンチスコアリングシステムのCOMPUBOXによると、カシメロの297パンチの内の47(16%)、パワーパンチは167の内41(25%)。リゴンドーは221パンチの内44(20%)、パワーパンチは97の内28(29%)というヒット率を計測。1試合における両者合計の着弾数「91」はこれまでの最低記録である100(2016年マリオ・バリオスvsデビス・ボスキエロ戦)のCOMPUBOX記録を塗り替えたようだ。

試合後のインタビューでカシメロは「彼は逃げないと言っていたがそうではなかった。リゴンドーは片付けた。次はドネア、そして最後に井上だ」とカメラに中指を立てて挑発した。

TV放映でゲストを務めたWBA/IBF統一王者の井上尚弥は、カシメロのその挑発的な態度を見て「ああいう態度をされたら自分が叩きのめしたい。日本のファンの期待に答えたい」と力強く発言。交渉中のドネア戦に優先してカシメロ戦を行っても良いとの気持ちを表した。

井上の次戦についてはコロナの情勢もあって不透明な状況であるが、一刻も早く統一戦が実現することを期待したい。

カシメロ vs リゴンドー戦 ハイライト