ボクシング界最大 88歳ボブ・アラム氏が率いるトップランク社

ボブ・アラム氏の率いるボクシング界最大のプロモーション会社であるトップランク社。同社はボクシング界の長い歴史とともに成長し、ボブ・アラムは史上最も偉大なプロモーターの一人となった。海外スポーツメディアのEssentially Sportsが「ボブ・アラムとトップランク社」をテーマにその功績を記している。

ボブ・アラムは元々ハーバード・ロー・スクールを卒業したエリートで、司法省の企業担当弁護士として企業の脱税問題や独禁法にからむ案件を担当していたという。しかし1962年にソニー・リストンとフロイド・パターソンのヘビー級タイトルマッチの契約に弁護士として関係したことをきっかけにボクシングのプロモーションビジネスに深く関わるようになる。

海外メディアによると、1963年にアメリカ合衆国司法省を辞めたアラムは、その前年に案件を通じて知り合ったプロモーターのレスター・マリッツと再会、当時マッチメークに苦しんでいたマリッツをサポートしてTV局との契約をまとめたことを契機に、ボクシング界でのプロモート事業を主戦場としていく。

程なく頭角を現したアラムは、モハメド・アリのプロモーション会社で秘書に就任、国際的なステージでエリートたちと仕事をすることになる。この偉大なアリを史上最大のアスリートに育て上げたこの時期を通じて、業界のビジネスについて最も学び熟知していく。

さらにアラムは1973年、アリのマネージャーでもあったジャビール・ハーバート・ムハンマドと共にトップランク社を設立。ラスベガスに設立された同社は、すぐに業界最大のプロモーション企業に成長して行くのである。

ボブ・アラムとトップランク社がボクシング界を席巻

設立以来、トップランク社はロベルト・デュラン、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、トーマス・ハーンズ、マニー・パッキャオ、シュガー・レイ・レナード、など錚々たる顔ぶれのボクサーをプロモートし、歴史に残る数々の名勝負を成立させていった。

その勢いは衰えることなく、現在もタイソン・フューリー、テレンス・クロフォード、井上尚弥といった数々のスター選手が名を連ねるトッププロモート企業としてボクシング業界を牽引している。公式サイトによると、トップランク社はこれまでに22カ国で1500のイベントを開催して9000試合をボクシングファンに届けてきた。

アラムはこのスポーツにペイ・パー・ビュー方式の放映を導入した最初の一人でもある。これまでにHBO、ABC、Showtimeといった放送局と手を組んできて、現在はESPNと組んでいる。

今なお衰えを知らぬ88歳のボブ・アラムが率い、トッド・デュボフ社長など有力な右腕が控えるトップランク社。今後もボクシング界を牽引し、数々の試合でファンを魅了してくれるに違いない。