【死闘】タイソン・フューリー vs デオンテイ・ワイルダー

9日(日本時間10日)に米ラスベガスのT-Mobileで行われたボクシングのWBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英)と挑戦者の前王者デオンテイ・ワイルダー(米)との第3戦は、11回TKOでフューリーがワイルダーを下して初防衛に成功した。

フューリーがコロナウィルス感染症の検査で陽性反応を示したことにより元々7月24日に予定されていた試合が延期されていた本マッチ。大観衆が見守る中、3回にフューリー、4回にワイルダーが2度、10回にまたもフューリー、そして最後11回にフューリーがとどめを刺す右フックでダウンを奪い、両者合わせて5度のダウンを奪い合う死闘となった。今回の試合を経てフューリーは戦績を31勝無敗1分22KOに、ワイルダーは42勝2敗1分41KOとした。

パンチスコアリングシステムのCOMPUBOXによると、フューリーのパンチ385の内の150(39%)、ジャブは117の内36(31%)、パワーパンチは268の内114(43%)。ワイルダーは355パンチの内72(20%)、ジャブは102の内9(9%)、パワーパンチは253の内63(25%)というヒット率を計測。数値上は精度でフューリーが大幅に上回った。

試合後のインタビューでフューリーは「このスポーツの歴史上のどのトリロジーにも引けを取らないものだったと思う。言い訳をするつもりはなくワイルダーはタフなファイターだった。彼は今夜、俺に本気でぶつかってきた」と相手を称えた。

ヘビー級の他主要3団体のベルトについては、先月英ロンドンで行われたWBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチで元4団体統一クルーザー級王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が王者のアンソニー・ジョシュア(英)を3−0の判定で下し、ベルトを掴んでいる。こちらは来年の2月か3月に再戦が行われる見込みとの報道もあり、ワイルダーとの因縁の第3戦を制したフューリーを含めたヘビー級統一戦線の行方に注目したい。

死闘後のリングインタビューで美声を披露するフューリー

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