スーパーバンタム級王座の統一を熱望 新WBO王者スティーブン・フルトン

1月23日(日本時間24日)にアメリカのコネチカット州で行われたボクシングのWBOスーパバンタム級王座決定戦で勝利し、新王者となったスティーブン・フルトン(アメリカ・19戦全勝8KO)が、同階級統一に向けて早くも鼻息を荒くしている。

米ヤフースポーツの問いに対してフルトンは「この階級で4つの王座を統一したい。自分にとってベストな相手と戦って名を挙げたい」と答えている。

フルトンの他に無敗のライバル王者が3人いるスーパーバンタム級であるが、他の階級と比べると統一に向けたハードルが比較的低いと言える。なぜなら、現WBAスーパー・IBFスーパーバンタム級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン・8戦 全勝6KO)、WBAレギュラー王者のブランドン・フィゲロア(アメリカ・21勝16KO無敗1分)、WBC同級王者のルイス・ネリ(アメリカ・31戦全勝24KO)、そしてフルトンを含めた4人の王者全員が大手プロモーションのPBCと契約しているからだ。

過酷な環境で育ったフルトン

同メディアはフルトンの生い立ちにも言及している。フィラデルフィア南部の「忘れられた端っこ」と呼ばれる貧しい地域。夜には銃声が当たり前のように鳴り響く街で彼が産声を上げた時、父親はすでに刑務所におり残された母親の手ひとつで3人の姉妹とともに育てられたという。

他の多くのボクサーと同じように、彼もボクシングに人生を救われた人間の一人だ。

同メディアにフルトンはこう語っている。「ボクシングが自分の人生を救ったのは間違いない」「自分が育った環境は暴力や犯罪がはびこっていた。だが、ボクシングに夢中になってそうした環境から離れることができたんだ。なにか事件があった時、もし自分がジムで練習していなかったら、もし試合で留守にしていなかったら、いつだってそんな事件の当事者になっていた可能性はあった。」「でもボクシングに出会い目標を見つけたことによって、そのような環境に身を置かずに、何かを成し遂げる機会を得ることができたんだ。」

もしかしたら将来バンタム級を統一した井上尚弥が、1階級上のスーパーバンタム級統一王者になったフルトンに挑戦する日が来るかもしれない。先走りだが、夢は膨らむばかりだ。

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