【試合後の記者会見】井上尚弥 vs マイケル・ダスマリナス

米ラスベガスのヴァージン・ホテルズ・ラスベガスで19日(日本時間20日)に開催されたボクシングのWBA・IBFバンタム級統一王者・井上尚弥とIBF指名挑戦者マイケル・ダスマリナス(フィリピン)のタイトルマッチ。井上が強烈な左ボディをダスマリナスに打ち込み3回2分45秒TKOでダスマリナスを仕留めた。

井上は初回に左フックを頭部にヒットさせてダスマリナスの動きを封じると、2回に左ボディでダウンを奪う。続く3回にも左ボディでダウンを奪い、カウント9でなんとか立ち上がったダスマリナスにまたも左ボディを浴びせ3回目のダウンで試合を決めた。

パンチスコアリングシステムのCOMPUBOXによると、井上の112パンチの内の38(34%)、パワーパンチは48の内31(65%)。ダスマリナスは80パンチの内12(15%)、パワーパンチは40の内10(25%)というヒット率であった。

井上は今回の勝利により無敗記録を伸ばして戦績を21勝無敗18KOに。対するダスマリナスは今回の黒星により戦績を30勝3敗1分とした。

「2回目のラスベガスということでかなり落ちついてリングに入ることができた。場の雰囲気であったり、ラスベガスに着いてからの調整だったりそういうところの慣れを感じました」と語った井上。

試合後に行われた記者会見では「自分が用意していたパターンの一つであるボディでのKOができた。1ラウンドで1発目を合わせた段階でダスマリナスの表情も気が引けたような感じがあったのでそこから自分のペースでいけた」「相手の出方次第でボディを狙おうかと考えたが、思った以上に出てこずに距離を取る戦い方をしてきたので、顔でのKOでは時間がかかると思い、その段階でボディに切り替えた」と試合を振り返った。

サウスポー対策については「本来ならサウスポーが得意とするパンチだが、左フックを合わせるなど左の差し合いで負けないように」意識したという井上。ラスベガスでの初めての有観客試合については「また日本とは違って歓声がよりお祭り感覚だなという感じはありました。気持ちよかったです」と感想を述べた。

バンタム級の他団体王者であるノニト・ドネアとジョンリル・カシメロが観戦していたことについて意識していたか聞かれると「もちろんそれはありました。今回の試合のモチベーションは次対戦できるかもしれないその二人に対するアピール(の気持ち)はありました」と語った。

8月に決定したドネアとカシメロの対戦について、どちらが勝つと思うか意見を求められると「お互いがハードパンチャーなので予想がつかない。判定の確率は低いのでは」と答え、さらに自身の次戦についてその勝者と戦うのを待つか、もう1試合はさむのかとの問いには「順調に次にできるのであれば待ってもいい」と答えた。

4団体統一を成しバンタム級ナンバー1となるため着実に歩を進める井上。日本中のファンが彼の今後に夢を託している。

試合後 記者会見の模様