【結果】ノルディーヌ・ウバーリ vs ノニト・ドネア タイトルマッチ

29日(日本時間30日)、米カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで開催されたWBC世界バンタム級王者のノルディーヌ・ウバーリ(仏)と指名挑戦者で4階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)とのタイトルマッチ。注目のマッチは計3度のダウンを奪ったドネアがウバーリを4回TKOに仕留めて史上最年長のバンタム級王者となった。

ドネアにとっては2019年11月に行われたWBSS決勝で井上尚弥と12ラウンドの死闘を戦って以来、ウバーリにとっても同イベントのセミファイナルとして行われた井上拓真戦以来となる両者1年半ぶりとなった今試合。ドネアが「伝家の宝刀」の左フックで3回にウバーリから2度のダウンを奪い続行は困難に思われるも、レフェリーは試合続行を判断。弱ったウバーリをドネアが左アッパーで仕留め、4回1分52秒で勝利を決めた。

今回の勝利によってドネアは戦績を41勝6敗27KOに、対するウバーリは初黒星となる今回の敗戦で戦績を17勝1敗12KOとした。

パンチスコアリングシステムのCOMPUBOXによると、ドネアの183パンチの内の74(40%)、パワーパンチは134の内68(51%)。ウバーリは144パンチの内33(23%)、パワーパンチは89の内18(20%)というヒット率を計測。ドネアの優勢が数値にも顕著に表れている。

史上最年長となる38歳でバンタム級の世界王者となったドネア。今回の4ラウンドKOについて「3回を終了し彼が弱っているのは分かっていた。それまでの攻撃で自分も拳を痛めていたからだ。でもKOできると思いそのまま攻めた。試合前に自分のチームに6回までに終わらせると宣言していたし、それで闘争心を高めていたんだ」と試合後のインタビューで語っている。

14年前にビック・ダルチニアンを相手に勝利を収め、初めてフライ級の世界ベルトを獲得して以来、バンタム級、スーパーバンタム級、そしてフェザー級の4階級を制覇してきたドネア。ボクシング界に輝かしいキャリアを築いてきた彼が今意欲を示すのはバンタム級の統一だ。

バンタム級の統一戦線にはWBAスーパー・IBF王者の井上尚弥、そして8月14日に行われるWBOスーパーバンタム級王者ジョンリエル・ カシメロ(フィリピン・30勝4敗21KO)対WBA同級レギュラー王者のギレルモ・リゴンドー(キューバ・20勝1敗13KO)戦の勝者も絡んでくる。

試合後にリングインタビューで井上尚弥とのリマッチについて聞かれたドネアは「そのために今回の試合を行ったし、それこそが次の目標だ」と明言。さらに「一人ずつ倒していくだけだ。今回のウバーリ、そして井上とのリマッチ、そしてWBOのベルト、順番は問わないがゴールがアンディスピューテッド(議論の余地のない)チャンピオンになることであることは変わりない」と力強く語った。

主要メディアや認定団体の年間表彰で「2019年年間最高試合」に選出され「ドラマ・イン・サイタマ」とも命名された前回の井上・ドネア戦。今回その健在ぶりを確かな形で示したドネアが再び井上と拳を交える日が決まれば、世界中が盛り上がることは必至だろう。

ウバーリ vs ドネア戦 ハイライト
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