サンダースの想像を遥かに超えたカネロの破壊力

8日(日本時間9日)に米テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで73,000人を超えるファンの前に行われたボクシングのWBC・WBAスーパー世界スーパーミドル級王者カネロ・アルバレス(メキシコ)とWBO王者ビリー・ジョー・サンダース(英)の統一戦。カネロの右アッパーを右目付近に受け負傷したサンダースが8回終了後に棄権を申し出る形で決着を見た。今回の勝利によりカネロは戦績を56勝1敗2分38KO)とした。尚試合終了時点でのジャッジによる採点は78−74、77−75、78−74で3者ともにカネロを支持していた。

一夜明けた9日、プロモーターのエディ・ハーン氏は自身のSNSでサンダースの近況について報告。病院で一夜を明かしたサンダースは複数箇所の眼窩骨折の診断を受け、直ちに手術を行う予定という。

インタビューで「両目が眼窩骨折しても、顎が壊れても、歯が抜けても、鼻を潰されても、脳を打たれても、ノックアウトされるまで止めることはしない。膝をついた状態でレフェリーに10カウントされる男にはならない」と過去に語っていたサンダースだが、カネロの破壊力はサンダースの想像を遥かに超えていたのかもしれない。

一方でカネロは試合後に自身のSNSを更新。「参加してくれた7万人を超える人達に感謝したい。全ての人たちとメキシコに感謝している」との言葉に、自身が保持するベルトであるWBO・WBC・WBA・リング誌の文字を添える形で感謝の気持ちを伝えた。

これまでに4階級を制覇し、スーパーミドル級の主要4団体統一王者を目指すカネロ。今回の勝利でWBO、WBC、WBAの3ベルトを保持することになり、年内にもIBF王者カレブ・プラントとの対戦計画が示唆されている。

カネロは以前のインタビューで「私とトレーナーのエディにとって、これまで僅かな人間しか成し遂げたことがない王座の統一は非常に重要なことだ。」「スーパーミドル級の全てのタイトルを獲得するのは短期的な目標で、歴史を作る上での通過点でしかない。私と(トレーナーの)エディは常にベストを求めてきたし、今後も歴史を作り続けていきたい」とその意気込みを語っていた。

「私にとってこのスポーツにおいて後世に残るレガシーを作ることは非常に大事だ。これからも歴史を作り続け、ボクシングを語るときに常に思い出される存在となりたい」

この偉大なゴールに向かってどこまで突き進むことができるのか、カネロの今後を見守りたい。

7万人超の大観衆を味方につけたカネロの入場シーン