注目のプロスペクト ジャロン・エニスとコナー・ベン 圧巻のKO勝利

ウェルター級のボクシング界注目プロスペクトであるジャロン・エニスとコナー・ベンのマッチがそれぞれ開催された今週末。エニス、ベンともに勝利を納めて無敗記録を更新した。

10日(日本時間11日)に英ロンドンで開催されたWBAコンチネンタル・ウェルター級王座決定戦のコナー・ベン(英・17戦全勝11KO)とサミュエル・バルガス(コロンビア・31勝14KO6敗2分)の戦いは、ベンが1回80秒TKOでバルガスを葬りさった。70秒過ぎにジャブとストレートをヒットさせるとそのままバルガスをロープに追い詰めて右ストレート、フック、左右アッパーの連打で試合を決めた。

「日に日に強くなっているがまだ全盛期に到達しているわけではない。俺は何億もの金を稼いで30歳までにリタイアする。正真正銘のウェルター級最強になるんだ」と自信を強めた様子で語った。

パワーだけでなく、スピードと正確さも備わったファイターである現在24歳のベン。試合後にベンは「これまでにバルガスをあのような倒し方をしたのは俺だけだ。次は自分に相応しい試練を受けたいのでアミール・カーンとやりたい。彼が望めば実現される」と次戦に同じイギリスの元WBA・IBF世界スーパーライト級スーパー王者で五輪銀メダリストのカーンを指名し、大物喰いに意欲を示した。

一方で同10日(日本時間11日)、米コネチカット州のアンカスビルでは現在26勝無敗24KOの新星ジャロン・エニスが元IBF世界スーパーライト級王者セルゲイ・リピネッツ(16勝12KO1敗1分)を6回KOに仕留めた。6回、エニスの左右のコンビネーションでリピネッツを捉えるとリピネッツは背中から倒れ、それを見たレフェリーが即座に試合を止めた。

これまでに世界レベルの選手との対戦がなかったエニスにとって今回は世界へ進出する上での試金石となる試合であったが、今回IBF3位で元世界王者のリピネッツにKO勝利を収めたことにより世界王座への挑戦にまた一歩近づいた形だ。試合後の記者会見でエニスは「集中して自分のやりたいことをできたし、すごくリラックスして試合を楽しめた」振り返っている。

現在のウェルター級の王者はWBC・IBFのエロール・スペンス(米)、WBOのテレンス・クロフォード(米)WBAスーパーのヨルデニス・ウガス(キューバ)、WBA 休養のマニー・パッキャオ(フィリピン)。その他ショーン・ポーター(米)、ダニー・ガルシア(米)、マイキー・ガルシア(米)など、強豪が王者を狙う。さらに17戦全勝17KOの若手バージル・オルティス(22・アメリカ)も注目だ。

無敗プロスペクトである23歳のジャロン・エニスと24歳のコナー・ベン。彼らが今後ウェルター級戦線にどう食い込んでくるのか、その動向から目が離せない。

エニス vs リピネッツ戦 ハイライト
ベン vs バルガス戦 ハイライト

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